【古物商】免許証のコピーは必要?本人確認義務・保存期間・正しい管理方法を解説
リサイクルショップや買取専門店を運営していると、お客様の本人確認について、次のような疑問を感じることはありませんか?
「買取時に運転免許証のコピーを取る必要はある?」
「身分証のコピーは3年間保存しないといけない?」
「スマートフォンで免許証を撮影して保存しても問題ない?」
古物営業法では、古物の買受け等に際して、原則として取引相手の本人確認を行うことが定められています。
しかし、すべての買取取引で運転免許証などのコピーを取得・保存しなければならないわけではありません。
特に、店頭で行う対面買取と、宅配買取などの非対面取引では、認められる本人確認方法が異なります。
この記事では、古物営業法に基づく本人確認の基本から、免許証コピーの保存義務、帳簿の保存期間、身分証画像の適切な管理方法まで解説します。
目次
1.古物商は免許証のコピーを保存する義務がある?

結論からいうと、店頭で本人確認を行う場合、運転免許証のコピーを一律に保存する義務はありません。
古物営業法第15条では、古物商が古物を買い受ける際などに、取引相手の住所・氏名・職業・年齢を確認することや、本人確認のための措置を取ることが定められています。
対面取引では、運転免許証などの本人確認書類の提示を受け、その内容を確認する方法が認められています。
そのため、法令で認められた方法によって本人確認を行っていれば、必ずしも免許証のコピーを取得する必要はありません。
ただし、本人確認が必要かどうかと、本人確認書類のコピーを保存する必要があるかどうかは別の問題です。
また、宅配買取などの非対面取引では、採用する本人確認方法によって書類のコピーや画像の保存が必要になる場合があります。
2.店頭買取と宅配買取では本人確認方法が異なる
古物商の本人確認は、取引方法によって必要な対応が変わります。
確認項目 | 店頭買取(対面) | 宅配買取(非対面) |
本人確認 | 原則必要 | 原則必要 |
身分証原本の提示 | 認められた確認方法の一つ | 原本の対面提示はできない |
身分証コピーの保存 | 一律の義務ではない | 採用する確認方法による |
コピーの送付だけで本人確認 | 対面での原本確認とは異なる | 不十分 |
取引記録の保存 | 法令に従って必要 | 法令に従って必要 |
※少額取引など、本人確認義務の例外に該当する場合があります。
特に注意したいのは、非対面取引です。
警視庁は、免許証などのコピーを送ってもらうだけでは、古物営業法上の本人確認として不十分であると案内しています。
宅配買取を行う場合は、法令で定められた確認方法を採用する必要があります。
3.古物商の本人確認で確認する項目

古物営業法第15条では、原則として取引相手について、次の事項を確認することが求められています。
住所
氏名
職業
年齢
店頭買取では、運転免許証などの本人確認書類を利用して確認することが一般的です。
ただし、運転免許証には職業が記載されていないため、職業については別途確認する必要があります。
また、本人確認書類を見せてもらうだけでなく、法令で認められた方法に従って確認することが重要です。
マイナンバーカードでも本人確認できる?
マイナンバーカードも、本人確認書類として利用できます。
ただし、個人番号が記載されている裏面の取扱いには注意が必要です。
古物商の本人確認を目的として、必要のない個人番号を取得・保存しないようにしましょう。
特に身分証を撮影する運用では、撮影する面や保存する情報の範囲を明確にしておくことが大切です。
4.1万円未満の買取でも本人確認は必要?

古物営業法では、原則として対価の総額が1万円未満の取引について、本人確認義務の例外が設けられています。
ただし、1万円未満ならすべての古物で本人確認が不要になるわけではありません。
例えば、次のような品目は少額取引でも本人確認が必要となる対象に含まれます。
オートバイ(一定の部品を含む)
ゲームソフト
映画や音楽を記録したCD・DVDなど
書籍
対象となる品目や取引条件は法令で定められているため、取り扱う商品に応じて確認する必要があります。
また、本人確認義務の例外と、未成年者からの買取に関する確認は別の問題です。
店舗の運用ルールを決める際には、管轄警察署の案内も確認しておきましょう。
5.古物商の帳簿には何を記録する必要がある?
古物営業法第16条では、記録義務のある取引について、帳簿等への記載または電磁的方法による記録が求められています。
主な記録事項は次のとおりです。
記録項目 | 内容 |
取引年月日 | 古物を買い受けた日など |
古物の品目・数量 | 商品の種類と数量 |
古物の特徴 | 商品を識別するための特徴 |
取引相手の情報 | 住所・氏名・職業・年齢 |
本人確認の措置 | 実施した確認措置の区分・必要な方法 |
※取引内容や法令上の例外により、記録義務の扱いは異なります。
重要なのは、誰と、いつ、どのような古物を取引し、どのような本人確認を行ったかを記録することです。
免許証のコピーを大量に保存していても、必要な取引情報が適切に記録されていなければ、帳簿管理として十分とはいえません。
6.古物商の帳簿や身分証コピーは何年間保存する?
古物営業法第18条では、帳簿等の保存期間について定められています。
古物商の帳簿等は、原則として3年間の保存が必要です。
ただし、保存期間の起算点には違いがあります。
記録方法 | 保存期間 |
紙の帳簿等 | 最終の記載をした日から3年間 |
電磁的方法による記録 | 当該記録をした日から3年間 |
身分証コピー・画像 | 採用する本人確認方法や適用法令によって異なる |
ここで注意したいのが、「帳簿を3年間保存する義務」と「すべての免許証コピーを3年間保存する義務」は同じではないという点です。
店頭で原本を確認する方法を採用した場合、古物営業法がすべての取引について免許証コピーの保存まで一律に求めているわけではありません。
一方、非対面取引で特定の本人確認方法を採用する場合には、本人確認書類のコピーや画像を取引記録とともに保存する必要があります。
また、貴金属等の取引など、別の法令が適用される場合は追加の確認・保存義務が生じることがあります。
7.宅配買取では免許証のコピーを送ってもらえばいい?

宅配買取やオンライン買取では、本人確認書類のコピーを受け取るだけでは不十分です。
非対面取引では、取引相手が申告した住所・氏名などが真正なものであるかを確認するため、法令で認められた措置を取る必要があります。
例えば、警視庁が案内している確認方法の一つには、次のようなものがあります。
取引相手から運転免許証などのコピーを受け取る
コピーに記載された住所へ、転送しない取扱いで簡易書留等を送付する
法令に沿った方法で到達を確認する
コピーに記載された本人名義の預貯金口座等へ代金を入金する契約を結ぶ
受け取ったコピーを取引記録とともに保存する
この方法では、住所確認、本人名義の口座、コピーの保存など、それぞれに条件があります。
また、非対面本人確認には複数の法定方式があり、すべての取引で上記の手順を採用しなければならないという意味ではありません。
自社が採用する本人確認方法について、必要な条件を正確に把握することが重要です。
8.スマートフォンで免許証を撮影すれば本人確認になる?

スマートフォンで運転免許証を撮影し、画像を保存することは、本人確認情報を記録する手段の一つです。
ただし、免許証を撮影・保存するだけで、古物営業法上の本人確認が完了するわけではありません。
店頭買取では、法令で認められた方法による本人確認を行う必要があります。
また、非対面取引では、画像を利用した本人確認方法にも細かな条件が定められています。
例えば、所定のソフトウェアで撮影した画像を利用する方式では、画像の加工ができないことや、本人確認書類の特徴を確認できることなどが条件となります。
単にスマートフォンで撮影した画像をメールで送ってもらう方法とは、要件が異なります。
画像を利用する場合は、採用する本人確認方式に必要な条件を確認しましょう。
9.身分証画像をクラウドに保存しても問題ない?

本人確認書類の画像をクラウド上で管理すること自体が、一律に禁止されているわけではありません。
ただし、運転免許証などには住所・氏名・生年月日などの個人情報が含まれています。
そのため、保存する場合には適切な安全管理が必要です。
例えば、次のような対策が考えられます。
個人情報の利用目的を明確にする
業務上必要なスタッフだけが閲覧できるようにする
アカウントやアクセス権限を適切に管理する
不正アクセスへの対策を行う
データのバックアップと復旧方法を確認する
保存期間を定め、不要な情報を適切に削除する
紙のコピーであっても、紛失や第三者による閲覧などのリスクがあります。
一方、クラウド管理にも不正アクセスや設定ミスなどのリスクがあるため、紙とクラウドのどちらが安全かではなく、どのように管理するかが重要です。
10.身分証コピーと買取台帳を別々に管理する問題点

買取件数が増えると、本人確認書類と買取履歴を別々に管理することが負担になる場合があります。
例えば、紙の買取台帳と身分証コピーを別々に保存していると、過去の取引を確認する際に次のような手間が発生します。
「この免許証コピーは、どの買取取引のものだろう?」
「以前買い取った商品の情報を確認したい」
「過去の買取履歴を探すのに時間がかかる」
こうした問題を減らす方法の一つが、顧客情報・買取商品・本人確認情報を一つの取引データとして管理することです。
かんたん買取システムなら買取情報をまとめて管理
「かんたん買取システム」は、リサイクルショップや買取専門店などの買取業務をデジタル化するクラウドサービスです。
スマートフォンやタブレットを利用して買取受付を行い、顧客情報や商品情報を記録できます。
また、必要に応じて身分証画像を撮影し、買取履歴と紐付けて管理することも可能です。
買取履歴はPDF・CSV形式で出力できるため、過去の取引確認やデータ管理にも活用できます。
紙の買取台帳や身分証コピーを別々に管理する手間を減らし、買取業務の効率化を支援します。
なお、本システムは買取情報の記録・管理を支援するものであり、身分証画像の保存だけで法令上の本人確認が完了するものではありません。
実際の本人確認は、古物営業法で認められた方法に従って実施してください。
11.古物商の本人確認・免許証コピーに関するよくある質問
Q. 店頭買取では免許証のコピーを取らなくても違反にならない?
法令で認められた対面本人確認の方法を採用している場合、免許証コピーの保存がすべての取引で一律に義務付けられているわけではありません。
ただし、本人確認や帳簿への記録など、必要な義務は適切に履行する必要があります。
Q. 免許証のコピーを保存すれば本人確認は完了する?
いいえ。コピーを保存しただけでは、本人確認措置を行ったことにはなりません。
対面・非対面それぞれの取引方法に応じて、法令で認められた本人確認を行う必要があります。
Q. 身分証コピーは3年間保存する必要がある?
古物営業法では、帳簿等について原則3年間の保存が定められています。
ただし、すべての身分証コピーに一律3年間の保存義務があるわけではありません。
採用する本人確認方法や適用される法令に応じて確認する必要があります。
Q. 1万円未満の買取なら本人確認は不要?
原則として本人確認義務の例外がありますが、ゲームソフト、書籍など、少額でも本人確認が必要となる品目があります。
取扱商品によって判断が異なるため、注意が必要です。
Q. 身分証画像をクラウドに保存してもいい?
クラウドへの保存自体が一律に禁止されているわけではありません。
ただし、利用目的の明確化やアクセス権限の管理など、個人情報の適切な安全管理が必要です。
Q. 電子データで買取台帳を管理してもいい?
古物営業法第16条では、帳簿等への記載に加え、電磁的方法による記録も認められています。
ただし、法令で定められた事項を記録し、必要な保存期間中、営業所等で直ちに書面に表示できるようにしておく必要があります。
まとめ|古物商の本人確認ではコピーの保存義務と帳簿管理を区別しよう
古物商が買取を行う際、重要なのは免許証のコピーを大量に保存することではありません。
法令で認められた方法で本人確認を行い、必要な取引記録を適切に残すことが重要です。
店頭買取では、すべての取引で免許証コピーの保存が義務付けられているわけではありません。
一方、宅配買取などの非対面取引では、本人確認方法によってコピーや画像の保存が必要になる場合があります。
また、古物商の帳簿等は原則3年間の保存が必要ですが、身分証コピーの取扱いとは区別して考える必要があります。
買取業務を効率化したい場合は、顧客情報・商品情報・本人確認情報をまとめて管理できる仕組みを検討してみましょう。
なお、具体的な本人確認方法や保存義務については、最新の法令と管轄警察署の案内を確認してください。






















