【2027年4月義務化】古物商のIC読み取りによる本人確認とは?対象品目と対策をわかりやすく解説
更新日:10月2日
2027年(令和9年)4月1日より、犯罪収益移転防止法施行規則(犯収法)の改正が施行され、本人確認(取引時確認)の方法が大きく変わります。
これまで主流だった「運転免許証のコピーをもらう」「スマホで顔と免許証を撮影して送付してもらう」といった方法は原則として廃止され、新たに「マイナンバーカードや運転免許証などのICチップ読み取り」が義務化されます。
この記事では、警察庁の「犯罪収益移転防止に関する年次報告書」を基に、古物商の皆様が知っておくべき法改正の背景や、対象となる取引、そして今から準備すべき対策についてわかりやすく解説します。
目次
1. なぜIC読み取りが義務化されるのか?(法改正の背景)

近年、精巧に偽造・変造された運転免許証やマイナンバーカードを利用して、架空・他人名義の銀行口座が開設されたり、携帯電話が不正契約されたりする事件が多発しています。
警察庁の資料によれば、偽造書類を用いて他人になりすまし、高額な腕時計などを詐取・転売する特殊詐欺などの犯罪が治安上の大きな課題となっています。
こうした犯罪による収益の移転(マネー・ローンダリング)を防ぐため、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」に基づき、より確実な本人確認方法として「ICチップ情報の読み取り」を必須とする法改正が行われることになりました。
2. 古物商における「IC読み取り義務化」の対象取引・対象品目

すべての古物取引で直ちに犯収法に基づくIC読み取りが義務付けられるわけではありません。
今回の義務化の対象となるのは、古物商が犯収法上の「宝石・貴金属等取扱事業者」として行う特定の取引です。
対象となる品目(宝石・貴金属等)
貴金属: 金、白金(プラチナ)、銀、およびこれらの合金
宝石: ダイヤモンド、その他の貴石、半貴石、真珠
これらの製品: 上記の貴金属や宝石を使用したジュエリーや製品など
対象となる取引条件
上記の品目において、「代金の支払いが現金で200万円を超える売買契約」を行う場合が対象です(売却・購入のいずれも対象)。 この条件に当てはまる取引(ハイリスク取引)を行う場合、古物商は犯収法に基づく厳格な本人特定事項の確認を行う義務があり、今回のIC読み取り義務化のルールに従う必要があります。
※なお、犯収法の対象外の取引であっても、古物営業法に基づく本人確認は引き続き必要です。
今後のデジタル化の推進に伴い、業界全体でIC読み取りへの移行が進むことが予想されます。
3. 具体的に「本人確認方法」はどう変わるのか?

2027年4月1日以降、自然人(個人)の顧客に対する本人確認方法は以下の通り厳格化されます。
対面取引(店頭買取りなど)
変更前: 運転免許証などの写真付き本人確認書類を「目視で確認・コピーを取得」するだけで完了。
変更後: 対象書類を「マイナンバーカード、運転免許証、在留カード等のICチップ付きのものに限定」した上で、書類の提示を受けるだけでなく、「専用アプリやツールによるICチップ情報の読み取り」が必須になります。
非対面取引(宅配買取りなど)
変更前: 本人確認書類の画像(写真)を送信してもらう、または書類のコピーを郵送してもらう方法が認められていました。
変更後: スマホ等を利用して「ICチップ付き本人確認書類のICチップ情報を送信してもらう方法(公的個人認証など)」が原則となります。本人確認書類の画像送信や、コピーの郵送による確認方法は原則として廃止されます。
※ICチップ付きの本人確認書類を持っていない顧客に対しては、偽造防止対策が施された住民票の写しなどの原本を送付させるとともに、転送不要郵便を送付するといった厳格な補完措置が必要になります。
5. まとめ
2027年4月より、現金200万円を超える宝石・貴金属の取引において、古物商にはICチップ読み取りによる確実な本人確認が義務付けられます。
マネー・ローンダリングや特殊詐欺から自社のビジネスと顧客を守るため、またコンプライアンスを遵守するためにも、施行ギリギリになって慌てることのないよう、早めの情報収集とシステム・オペレーションの移行準備を進めていきましょう。 参考資料:警察庁の公式資料



















